日々の風景

理数科特別講義「探究活動を始める前に」の講義が行われました (2022/07/22)

岩国高校理数科には、2年次に「課題研究」という、大学での学びや大学入試、さらには、予想を超えるスピードで変化していく社会で、新たな価値を創造していくために必要な思考力や探究心を育てることを目的とした授業があります。生徒が化学、生物、物理、数学等の分野で、テーマを定めて研究活動を行い、年度末には、山口高校や徳山高校などの理数科・探究科設置校による発表会も行われます。

7月22日には、広島大学の教授の西堀正英先生をお招きし、「探究活動を始める前に」と題し、理数科1年次生の生徒に講義を行っていただきました。

西堀先生は、大学院で応用動物学や動物遺伝学、分子進化学を専門に研究されています。本校においては、理数科の課題研究についてのアドバイスや、今年からは、学校運営協議会の委員として、学校運営についてご助言を頂いています。 まず、最初に先生が日頃研究をされていることについて、お話がありました。

野生動物がその土地に生息しているかどうかを調査する研究で、その土地の空気を採取し、DNAの解析により動物の生息状況を推定するというのですが、この研究が、クマの出没マップの作成に役立っているということでした。先生のお話から、大学の勉強の楽しさや仮説を立て実験をすることの面白さが伝わってきました。

先生はお話の中で、探究活動の第1歩は、「好きこそ物の上手なれ」である。つまり探究する心(気持ち)を持ち、探究の目を持ち、養うことが大切で、「観察」することの重要性を強調されていました。

実際の作業課題として、生徒たちにニワトリの絵を描かせる作業がありました。生徒たちの絵を見る(観察)と、左向きのニワトリの絵がほとんどだったのですが、これはなぜなんだろう。と、先生は生徒へ疑問を投げかけました。生徒からは様々な意見(仮説)が出て、さらにはそれをどう証明していくか(検証・実験)を考えていきました。この作業を通して、観察し、仮説を立て、検証・実験する。という探究活動の基本的な姿勢を具体的な事例を通して学ばせてもらいました。

本日は、90分間の講演でしたが、探究活動を行う上での心構えについて長年研究者として活動してきたご経験を交えながら、わかりやすく、ユーモアを交えながらお話を頂き、あっという間に時間が過ぎていきました。 講義の後、西堀先生が持参された大学生の研究をまとめたパネルをみる生徒の様子からは、これからはじまる探究活動への興味とともに、大学での学びへの憧れを感じました。

この90分の講義で、見える世界が変わってきたのではないでしょうか。、西堀先生の教えを今後の探究活動に活かしていきたいと思います。