日々の風景

もっと伸びよ!岩高生

~岩国高校の大先輩 田島直人さんの木のこと~  (2022/10/24)

田島さんの功績を顕彰する記念樹です。

日本グランプリシリーズ 山口大会・第19回田島直人記念陸上競技大会が、10月15日、(土)16日(日)の2日間、国内有数のアスリートたちが集い、維新みらいふスタジアム(維新百年記念公園陸上競技場)で開催され、23日には、その様子がKRY山口放送で放映されていました。


 岩国高校陸上競技部の生徒も出場したこの大会は、1936年のベルリンオリンピック三段跳びで金メダルに輝いた、岩国市出身の田島直人さんの功績を称え、毎年開催されているものです。

校長室に掲げられている田島さんの雄姿です。

田島さんは、大阪府において出生後、お父様の郷里である山口県岩国町に戻り、岩国尋常高等小・旧制岩国中学(山口県立岩国高校の前身)に進学。三段跳の日本チャンピオンになったお兄様と、岩国中学で一緒に練習した旧制広島一中時代の織田幹雄さんの影響で三段跳を始めたそうです。その後、京都帝国大学経済学部(現京都大学)を卒業され、1932年のロサンゼルスオリンピックの走幅跳で6位入賞。1936年、ベルリンオリンピックで16m00の世界新記録で金メダルを獲得されています。正に、本校の校風である「文武両道」ですね。 

本校の玄関前の植え込みに、岩国高校の大先輩である田島さんの功績を顕彰する記念樹があるのを御存知じですか。 ベルリン五輪での優勝者は、表彰台でヨーロピアンオークの苗木を鉢植えで贈呈された(オリンピック・オーク)そうです。田島さんが持ち帰った苗木は京都大学農学部植物園に寄贈され、その成育は困難を極めた(枯死の可能性が何度もあった)そうですが、植物学の専門家による対策により、20m近い大樹となって長い間親しまれたそうです。2008年に害虫に侵され、惜しまれつつ伐採されたそうですが、この樹の種子から育てられた苗木は日本各地の田島ゆかりの場所などに分配・植樹され、成長を続けているそうです。

オリンピック・オークは世界的に見ても戦火の影響等もあって残存したものが少なく、田島さんが死去した当時は、ほかにアメリカの選手が持ち帰った2本だけが現存していたといわれてます。

岩国高校の記念碑の碑文には、この記念樹の二世の苗木が60年後に誕生し、母校に植えられたということが刻まれています。 オリンピック・オークには、ドイツにおける「もっと伸びよ」の言葉がこめられているそうです。

まるで、田島先輩が、毎朝登校してくる岩高生を、「もっと伸びよ」と激励してくれているようです。