日々の風景

ちはやぶる・・・・ (2022/11/18)

「ちはやぶる・・・・」と言っても、広瀬すずさんのお話ではありません。

 春は桜で、6月は紫陽花で、私たちの目を楽しませくれる岩国高校を取り巻く豊かな自然。秋にはどんな景色を見せてくれるのか、楽しみにしていましたが、今、通称「大根坂」の紅葉が真っ盛りです。  足元ばかりを見つめるのではなく、ちょっと、立ち止まって、上を見上げて、季節の移ろいを感じる心のゆとりをもちたいものですね。少し前向きな気持ちになりますよ。


 ♪秋の夕日に照る山紅葉、濃いも薄いも数ある中で・・・・♪

とか、(歌えるかな?)

 ♪真っ赤だな、真っ赤だな、蔦の葉っぱも真っ赤だな。紅葉の葉っぱも真っ赤だな・・・♪

とか。(歌えるかな?)

 秋の歌に紅葉は、つきものですね。


 わが国には、四季があり、岩国高校の周辺には、その折々で、景色を楽しませてくれる豊かな自然があるというのは、本当に幸せなことですね。

 今と違って、テレビ、スマホなどのない昔の人々は、心から自然の美しさを楽しんでいたようですよ。


 紅葉が登場する百人一首の歌をいくつか紹介します。試験に出るぞ~!

「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき」
猿丸太夫 『古今集』

人里離れた奥山で、散り敷かれた紅葉を踏み分けながら、雌鹿が恋しいと鳴いている 雄の鹿の声を聞くときこそ、いよいよ秋は悲しいものだと感じられる。


「このたびは幣(ぬさ)も取りあへず 手向山もみぢの錦神のまにまに」
菅原道真『古今集』

今度の旅は急のことで、道祖神に捧げる幣(ぬさ)も用意することができませんでした。手向けの山の紅葉を捧げるので、神よ御心のままにお受け取りください。

「ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」
在原業平『古今集』

さまざまな不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんなことは聞いたことがない。龍田川が(一面に紅葉が浮いて)真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。