日々の風景

　朝、登校すると、動員学徒慰霊碑に、一束の花が手向けられていました。

　毎年、８月になると中国塗料株式会社の関係者様が本校に来校され、献花されているとのことです。

　中国塗料株式会社は、戦時中、岩国市錦見散畠の沖にあった岩国工場で航空機用酸素発生剤を製造しており、本校の前身のひとつである岩国高等女学校の生徒は学徒動員で酸素発生剤の容器製作の仕事についていたそうです。（最終的に２４８人が動員）

　この工場は被服工場からの転用工場であったため、不備の点も多く、機械工具も不足がち で、諸物資等の配給もなく、困苦欠乏に耐えた厳しい動員生活であり、昭和２０年３月には過労のため生徒１名が亡くなるという事故も発生しました。（岩国高等学校９０年史より）

　こうした歴史を踏まえ、企業として業務を助けてくれた動員学徒に改めて感謝するとともに戦争のない世界となるようにとの祈りを込めて献花されているとのことです。

　そうした中国塗料株式会社様のお気持ちにふれることにより、動員学徒の後輩である岩高生も、感謝の気持ちと平和への願いを新たにしてほしいと思いました。

　中国塗料株式会社様、ありがとうございました。